生きづらさ解放プレゼンター成瀬敦史<公式サイト>

凸凹さん子育てママをサポートし、発達障害をモデルに誰もが自分らしく生きられる社会を創る講演家・コーチ「生きづらさ解放プレゼンター」。発達障害・高次脳機能障害の当事者です。発達障害者の就労支援スタッフ等も務めています。facebook、noteブログ、YouTubeでも生きやすさを掴むヒントを発信中です。

映画「閉鎖病棟〜それぞれの朝〜」を観ての感想<それでも僕は前に進みます>

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【ご注意ください】
①この記事には人によっては不快に感じられる内容、言葉だけ捉えれば不適切な表現が含まれています。気分を害しそうな気がする方は閲覧を控えてください。
②あくまで成瀬敦史個人の感想に止まります。
③映画のネタバレはありません。
④文章と感情の勢いを大切にするため、編集をあまりせずに書きました。そのため、読み難かったり、同じことを二度 書いている部分がありますが、ご了承ください。


映画「閉鎖病棟〜それぞれの朝〜」を観て来ました。

「閉鎖病棟」とは、精神科病院の入院施設の中でも、
社会で暮らすには当事者にも周囲にも危険な事態が起きるほど重度の患者について、
隔離・閉鎖環境かつ完全監視体制の元で生活・治療する入院施設のことです。

映画「閉鎖病棟〜それぞれの朝〜」公式サイトはこちら

僕は、発達障害&高次脳機能障害の二次障害によるうつ病、強迫性障害から心療内科に10数年 通院し、投薬を受けました。
でも、入院まではいかないまま人生が好転していき、治療は終了。
健康と幸せを掴むことができました。
そんな僕にとって、閉鎖病棟は縁遠い存在。

しかし、僕の周囲には精神科病院(一般病棟)への入院経験がある方は、何人もいます。

そして、妻さとみんは若い頃、重度のうつ病によって閉鎖病棟に入院していたそうです。
不屈の魂とご両親の支えにより、極限の地から生還を果たし、僕と出会って今があります。
(多くの人たちを自分らしい人生へと導いている現在の活躍「あなたらしさナビゲーターさとみん」は、いまや「知る人ぞ知る」、そして近いうちに全国に広まるでしょう。)

僕は大学(産業心理学)の授業の見学で閉鎖病棟の中を拝見したことがあります。
極めて重苦しいオーラが充満していました。
(その見学授業では、毎年、嘔吐や気絶をする学生が出るほどです。)

妻さとみんが見て来た、味わって来た世界、
妻に次ぐ くらい壮絶な思い(入院経験)をしてきた人たちのこと。
少しでも理解したいと思い、映画を観て来ました。


「普通の人」と「頭がおかしい人」は無段階につながっている。
(この連続したつながりのことは、発達障害の世界では「虹色」、「スペクトラム」なんて言いますね。)

その基準の両端にあたる「普通」と「おかしい」という定義でさえ、極めて曖昧。
立ち位置を変えるだけで、簡単に相互が入れ替わったりする。
「正義と悪」という定義はいかに脆くて危険なものかを、改めて実感できました。

僕だって、「離婚」、「安定した公務員を途中退職」、「障害者手帳2級」、「うつ病で長年投薬」、「障害をオープンにし、一般社会で生活」、「障害者雇用で生活」・・・。
こういったラベルだけ見れば、世のかなりの割合の人が僕を恐れて然りでしょう。
僕から距離を起き、「成瀬さんは頭がおかしい人、危害を加えて来るかもしれない人」と思われても無理はないと思いました。

また、僕だって、周囲の人を見て「あの人はおかしい」と思うことはあります。
でも、やっぱり「お互い様」なんですよ。


そして、誰もが「何かの事情を抱えて」暮らしています。

過労、パワハラ・モラハラ・DV、ワンオペ育児、産前産後うつ、介護うつなど。
また、交通事故、医療事故、災害被災、犯罪被害、勤務先の倒産やリストラや雇い止め、発達障害の発覚などによる精神的ダメージ・・・数え上げればキリがありません。

誰もが「危険と見做される状態」になる可能性を孕んでいる。
本人の責任を問うにはあまりにも残酷。
でも、社会としては「そういう扱い」をしなければ「みんな」の「平穏」が維持できない。

この世界は本当に不公平で、不平等で、残酷で、不安定。
でも、この一触即発の中に「幸せ」や「快適」や「美しさ」があります。

こんなに残酷な世界なら「生きている価値はない」、「自殺した方がマシ」、「自殺したらいいのに」という気持ちになる人のこと、理解はできます。
僕もかつてはそう考えていました。


この映画を見ていて、

夜道で錯乱して叫んでしまっていた「あの頃」のことを・・・。

錯乱した人に、こちらも混乱したくなりながらも「大丈夫ですよ」と声をかけ、挫けそうになりながらも諦めず向き合ったことを・・・。

結局、会えなくなってしまった「あの人」たちのことを・・・。

・・・思い起こし、考えました。

僕の日々の平穏も、家族や会社や友達、周囲の人たちとの温かい付き合いも、

極めて不安定で脆弱なギリギリのバランスのうえに成り立っている。

今、この瞬間に味わえている平穏は、いわば奇跡の連続のようなものなのです。

この奇跡はいつ失われるかわからない脆いもの。
その不安と恐怖。

この奇跡に恵まれている感謝。

この奇跡にそっぽを向かれている人たちへの「同情」。

他者に「同情」を抱いている自分への嫌悪。

そして、そんな自分でも前に進もうとしている魂を自分の中に感じています。


明日からも僕は、社会人としての自尊心と生活の糧、つまり就職を叶えるために苦しみながらもがんばっている発達障害者を支援します。

そして、お子さんが就職や人間関係でつまずいて悩むお母さんをサポートするお話をしていきます。

その決意を新たにしました。


「閉鎖病棟」という極限の環境を生き抜いて脱出し、今ここにいてくれる妻さとみん。
「感謝」という言葉ではとても言い表せないほどの感謝。
そして彼女はその経験を活かし、他に誰にも出来ない技と魂で、多くの人々を「自分らしい人生」に導いている。
このことに、これ以上ない尊敬を覚えます。

そして、彼女が多発性子宮筋腫と二度の流産を乗り越えて産んでくれた息子の笑顔に涙が出ます。


離れて暮らしてもなお、僕のことを父と認めてくれている前妻さんとの子ども達ふたり、

障害を持ち、また腹違いの子どもを持つ僕を認めてくれている実両親、義両親に感謝しながら、

さぞかし面倒くさいでしょうに「普通」ではない僕と一緒に働いてくれているスタッフの皆さん、
そんな僕の支援を信じてくれている利用者の皆さん、

僕と快く付き合ってくれている仲間や友だち・・・。

奇跡と感謝しかありません。


不安を抱えながらも、望む未来を引き寄せるイメージを描きながら、
僕は明日からも歩んでいくことにしました。

そして、戯言だと非難されても、
甘ちゃんだとディスられても、
やっぱり僕は世界に叫びます。

「その生きづらさは勘違い」

「その生きづらさ、手放せます」

「発達障害は絶望じゃない」

「生きづらい誰もが自分らしく生きられる方法は、ここにある」

映画の感想、以上です。
こういう考えの僕でもお付き合いいただける皆さん、
明日からもよろしくお願いします!


 

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