姫路大学 看護学部様から、保健師課程の学生みなさまへの講演を承りました。
保健師の皆さんが地域に出て様々なご家庭に寄り添われる中で、
発達障害の「当事者かつ支援者」である成瀬からリアルな話を提供して欲しいという主旨のご依頼を頂きました。

公衆衛生看護活動論II(対象別)
オンラインで講演させて頂きました。
<以下、スライドを抜粋>

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ペアワークを2回実施することで、自律的な気づきの機会をご提供しつつ、
「実態」から視た発達障害の概要、
(一般常識とエビデンス有無に囚われず、当事者と支援現場の「実態」からお伝え。)

一般常識に基づいた支援をしていて失敗しがちなことを、「当事者かつ支援者」の視点からお伝えしました。

発達障害だって(“治る”か否かはさておき)困りごとを楽にすることはできる、
そして、ママと凸凹っ子(敏感)はあたかも無線(成瀬語「臍の緒WiFi」)で繋がっているかのように、メンタルの状態が「同期」することを解説しました。
「保護者支援後進国」の日本において、ママのセルフケアを促し、ノウハウ習得を支援することが大切とお伝えしました。
(さらに「ママ自身のアダルトチルドレン問題」、つまり凸凹我が子の祖母から3世代を跨いで抑圧が連鎖しがちなことも解説しました。)

学生の皆様から、熱い感想文を頂きました。

<感想の要約>
◎(一般常識的な)発達障害へのイメージが変わった。
◎発達障害は「先天性100%で原因不明」ではなく「先天性:後天性=6:4」の可能性があり、原因に対処することで改善することを知った。また、向精神薬を飲んで薬害を被らなくても、運動発達支援、そして栄養や環境等の調整によってずいぶん生きやすくなることを知った。
◎発達障害っ子、そして親自身が「普通」に合わせるのではなく、自分らしい暮らし方・生き方を創造できるよう支援するのが大事と知った。
◎向精神薬は緊急的な効能は有益であるものの、一時は楽になるため「生きづらさの原因から目を逸らして」しまい、「生きづらさ地獄の無限ループ」に陥りがちであることを知った。
◎発達障害っ子は敏感なため、ママの生きづらさに「同期」しやすく、ママのセルフケア支援が大事であることを知った。発達障害当事者だけでなく、ご家族の相談にも乗っていきたい。
◎「発達障害は個性」という励ましの問いかけは、その人(家族)が味わってきた生きづらさを無視して傷つけることもあるため、安易に使うべきではないと知った。肯定も否定もしない「傾聴」を心がけていきたい。
◎この講演で学んだことを念頭に置きながら、保健師としてご家族と接し、支えていきたいと思った。
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90分で約40ページの濃密な講演を、どの学生さんもしっかり受け止めてくださり、講師冥利に尽きました。
一般常識と外れた内容にも関わらず、ストレートに受け止めてくださった真摯な姿勢、そしてこのような場を創ってくださった先生方に感謝です。
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